- かれ
- I
かれ【嗄れ】声がかれること。 しわがれること。II
「~声」
かれ【彼】※一※ (代)(1)三人称。 (ア)話し手・聞き手以外の男性をさし示す。 あの男。⇔ 彼女「~のことは心配いらない」〔(ア)は明治以降, 英語の he などの訳語として生じたものであるが, 日本語では同輩以下のものをさすのが普通〕(イ)話し手・聞き手以外の人をさし示す。 あの人。 明治期まで, 男にも女にも用いた。「誰そ~と問はば答へむ/万葉2545」
(2)二人称。 聞き手をさしていう語。 お前。「『~は何人ぞ』と問はせ給ひければ, 『此の家の主に候ふ翁なり』と申しければ/今昔27」
(3)遠称の指示代名詞。 話し手からも聞き手からも離れた事物をさし示す。 あれ。「我(ア)が思(モ)ふ君がみ舟かも~/万葉 4045」
※二※ (名)〔※一※(1)(ア) から転じた語〕愛人の男性。 かれし。⇔ 彼女「~からの電話で, 娘がいそいそと出かけて行った」~と言い此(コレ)と言い二つのうちどちらを取っても。 どちらも。「~辞するに所なし/平家 11」
~は誰(タ)そ時(ドキ)⇒ かわたれどき(彼は誰時)~は誰時(タレドキ)⇒ かわたれどき(彼は誰時)~も一時(イチジ)此(コ)れも一時〔孟子(公孫丑下)〕世間のことは時とともに変転して一定しない。 栄枯盛衰もその時だけのことである。~も人なり予(ワレ)も人なり〔韓愈「原毀」〕同じ人間なのだから, 人にできて自分にできないはずがない。~を知り己(オノレ)を知れば百戦殆(アヤウ)からず〔孫子(謀攻)〕敵と味方の情勢を知り, その優劣・長短を把握していれば, 何度戦っても負けることがない。IIIかれ【故】〔指示代名詞「か」に動詞「あり」の已然形「あれ」が付いた「かあれ」の転〕(1)それゆえ。 だから。 そこで。「二柱の神に…言依(コトヨ)さし賜ひき。 ~, 二柱の神, 天の浮橋に立たして/古事記(上訓)」
(2)すなわち。 ここに。 そこで。 段落などの初めに置いて, 話を起こす時に用いる。IV「~尾張の国に到りて/古事記(中訓)」
かれ【枯れ】草木などがかれること。「~野」
→ から(枯)Vかれ【涸れ】水がかれること。「井戸~」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.